明治時代、国有林の中でも皇室の財産であった森林は、宮内庁御料局というところが管理していました。その他の国有林は、農商務省山林局が主に管轄していました。それぞれの役所は管轄林の管理のため、定期的に森林の面積をはかる測量をしていました。このための基準点として設置されたものが御料局三角点(御料局管轄)、主三角点(山林局管轄)でした。
御料林は日本の屋根であり銘木を産する木曽、赤石、御岳、八ヶ岳の各山域に拡がっていたので、この地域の登山では御料局三角点を現在でもよく目にするかと思います。
陸軍の三角測量も平行して実施されていたため、お互いの成果を利用しあうこともありました。陸地測量部が森林測量の成果を使用するため「保管転換」したり、先に陸軍設置の三角点があればそれを森林測量に利用し三角点はあらたに設置しないなどの決まりがありますが、両方の標石がならんでいることもあります。
当時の点の記や測量計画は各管轄営林局にいけばありそうなのですが、個人の趣味で調べ回るにはちょっと敷居が高い・・・
参考資料 上条武著「孤高の道しるべ」銀河書房・1983
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