堂平山子午線標(埼玉県)

 

 埼玉県飯能市から秩父に向かって延びる林道「奥武蔵グリーンライン」から、三等三角点「正丸」のあるピークに続く尾根上のハイキングコースに歩み入るとすぐ、竹藪の中にひっそりと立っています。コンクリート製で高さは160cmくらい。上部には(私の身長より高いので撮影には要背伸び、肩車)子午線儀を据え付けるためでしょうか、金属製の合わせ印と突起があります。

 子午線標は、昭和20年代から30年代にかけて行われた天文測量のために設置されました。測量法施行規則第一条(別表)で形状が定められていますが、機材が改良され三角点で代用するようになったため、現在では使用されていません。なお、子午線標は観測の必要上から天測点と数キロ離れたところにセットで設置されていますが、天測点が山頂などで三角点も近くにあるなど比較的探しやすいのに対し、子午線標は多くが知る人ぞ知るまったくの山の中にあり、点の記にも「誰々宅で訪ねよ」というような記載も多く、探し甲斐のある標石です・・・

 

 2001年7月8日撮影 松村 昌子

 

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